イダテンギンポ Omobranchus punctatus  スズキ目イソギンポ科
 全長:10cm
 採集・購入時の全長:1.5cm、7cm
 飼育数:2
 餌やり:楽
 性格:凶暴

 

強健なギンポ

 汽水域のカキ殻に潜むギンポ。イソギンポ科は小さくて飼いやすい魚が多い。初めて見たのは抱卵しているらしい個体だったため持ち帰りを控えた。その約2ヶ月後に稚魚が見つかった。1.5cmでまだ透明な、流れ藻にいた幼魚のため、最初はすごい魚かと思った。それはある意味当たっていたが。

 その幼魚は水温がぬるま湯状態でも死ぬことはなく、稚魚を食べるような魚はいなかったので隔離しない方が飼育できそうと思ったら、その通り4日でイダテンギンポとわかるまで成長した(大きさは1~2mmしか伸びていない)。環境は、一度魚が白点病で全滅し、その後もボラが拒食するほど病原体が残留していた水槽である。大人も捕獲し、これも白点病を発症したが水槽に他の魚がいないためか、治まった。

 慣れると水面に来てエサをがっつくようになる。隠れる魚は隠れてばかりのものも多いが、イダテンギンポはよく動き飼っていて楽しい。ただし、凶暴で他の魚をよく噛むため、1匹で飼育すること。見た目ではわからないが、下顎に1対の大きな歯があるため、自分も噛まれないように。競合しそうなテッポウエビ類にはなぜかお互い全く干渉しない。タカノケフサイソガニと一緒に入れても問題なかった。スジエビ系は大きくても食べようとするがエビに問題はない。丈夫でいきなり人工飼料を食べるが、凶暴で噛まれると危険というのはイソギンポの仲間にだいたいいえる。 後に海で幼魚を安定して見られるようになり、採集は網と棒を使えばしやすい。10cmの特大個体は迫力だったが、弱っている様子だった。飼育スペースが小さいところで飼うのにいい魚の1つである。

inserted by FC2 system