コトヒキ Terapon jarbua  スズキ目シマイサキ科
 全長:25cm
 採集・購入時の全長:0.8~1cm、2cm、5cm
 飼育数:6
 餌やり:楽
 性格:凶暴

 

綺麗な見た目以上に特異的 

 最初に持ち帰った魚その2で、この時はとても新鮮だった。8月から普通に見られても、10月末、当時にはすでに安定して見られなくなっているからであった。奥にいてばかりで餌を食べず心配だったが、この時点で自分はまだ飼育素人で、この魚のことを調べていくと実は恐ろしい魚であることがわかってきた。

 とても頑丈で餌もどんどん食べる。むしろ水槽に入れた日に食べるが、凶暴である。それまでならスズメダイ類なんかもそうであるが…1、コトヒキは見ている間はおとなしくしている。いつもそうではないが離れると餌を食べているようだった。見ていても食べるようになるには少し長かった。2、幼魚はスケールイーター(他の魚の鱗を食べる)・・・らしいが情報の魚の症状を見ていると、どっちかというとニセクロスジギンポのように「他の魚の皮膚やひれをかじる」といった方が正しそうだ。尾を狙うことが多いといい、凶暴な魚と渡り合わせることもできないようだ。それで、3、縄張り意識が強いのではなくかじるのが目的で魚を攻撃する。これでは魚を混泳させるのは無理だろう。コトヒキのみで飼育すると混泳できることもあるようだが。他に混泳できた情報でフグが2件あり、毒があるせいか動きが通常の魚と違うせいだろうか。クロホシマンジュウダイは毒のトゲがあるので納得はできるが、するとアイゴなども無事でありそうなものだ。試す時は対策を準備しておくように。

 これらは嘘ではないのが身にしみた。2回目の海行き前にヒメハゼを狙っているのを見てしまったし、2cmで6cmのアシシロハゼを恐れることなく尾を噛みに行った。それで隔離したが、隔離ケースを買わなくても足りると思っていて水深の浅い劣悪な環境に置いてしまった。十分な環境が用意できた頃には明らかな成長不良になっていた。それでも長く生きたが。こんなことをしないためにももう持ち帰らないようにしていた…が、晩夏になって、他の魚と間違えたために1cm以下の稚魚を4匹持って帰ってしまった。その翌日に逃がすことにしたが、隔離ケースに入れ損ねてメイン水槽本体に入ると、速攻で2cmのエビをかじろうとしたのだ。その後、隔離ケースに入れて試しに餌をやった。人工飼料は食べなかったがむきエビは食べた。ところが1匹が餌を取られると、とったものを激しく追い、かみついた。それも次の餌を入れるまで収まらなかったと思う。餌をやる前はさすがに群れて普通にしていたというのに信じられない。これほど恐ろしい魚はめったにいないと思う。

 近縁種と間違えて5cmのものをまた持って帰ってしまい、これは水槽が狭くてまともに動かなかった。しかし逃がす前に大きなエビ2匹が消えており、やはり腹黒であった。水族館では約15cm以上の若魚がふつうに他の魚と泳いでいるため、釣ったものなら不自由せず飼育できるかもしれない。そうでなければ他に魚やエビを入れないで飼育するしかない。反面、汚染には最高に強い。似ているヒメコトヒキの性質はどうであろうか。

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