メナダ Chelon haematocheilus  ボラ目ボラ科
 全長:60cm
 採集・購入時の全長:2.7cm
 飼育数:1
 餌やり:楽
 性格:一応大人しい

 画像個体の全長:2.7cm


 

有名なボラだが幼魚は珍しい?

 真ボラの次に有名なボラだろう。北寄りの地方に多く、日本では北海道から九州までに生息する。真ボラ同様内湾や河口域でそこそこ釣れるため、釣り人はメナダを知っていることがよくあるが、それでも区別されていないことが多い。本種は他のボラより体が細長く、大型個体では目がオレンジ色であることが多い。慣れれば真ボラとは別物にしか見えなくなるぐらい違うが、問題は幼魚である。7cm程度に達すれば独特の、上唇が下唇を覆うような形状の口が特徴であるが、5cm程度のサイズではセスジボラとの区別が難しい。背中の隆起線がないのだが、横から見たときの違いを説明できない。

 私はボラの仲間を採集・飼育したく、本種もその範囲内であった。幼魚は初夏に現れ、日本海側では多いというが、干満差が少なく不利な環境に本種だけのために行くのは憚られた。あとは都市部付近の海で釣れることが多いので、大阪の海で探すことにした。そこで小さなボラのような魚が見られた。真ボラはもうこれより大きいサイズだ。潮溜まりではなく捕まえるのは非常に難しかったが、なんとか1匹を採集できた。ところが浅い方に来て捕まえられるチャンスは計2~3回で、次第に手の届く範囲に群れが来ることすらなくなってしまった。学習能力が高いのだろう。

 捕まえた1匹は3cm程度ある割に体が未発達で、同サイズの真ボラのように体は側扁し、鱗が見えにくかった。しかし明らかに真ボラより体型が細く、既に見たことがあったコボラともセスジボラとも違った。メナダだと信じて飼育に持っていったが、当たりだった。黒色素が見られることがあるのも稚魚の特徴らしい。大型種だけあり成長は速く、同居している他のボラを追い越していった。よく油膜を吸い砂撹拌もするが、コケ取りをすることは少ない。まだ1匹しか飼育できていないので複数飼育を試したい。砂撹拌はスコップのように砂に口先を突っ込んで吸い込み、吐く動きが特徴的で、真ボラのように豪快ではなくもっさりしている。鱗や長い体がヘビを思わせ、見応えのある種。


成長速度(通常1ヶ月ごとに計測、大きさ単位はcm)

メナダ1  2.7 →4 →4.7 →5.7 →6.5 →7.2 →7.5 計測後90cmスリム水槽に移動
一部期間薬浴のため餌少ない

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