カサゴ Sebastiscus marmoratus  カサゴ目フサカサゴ科
 全長:30cm
 採集・購入時の全長:9cm
 飼育数:1
 餌やり:少し楽
 性格:一応大人しい

 

網で捕れば飼育は楽、釣ると難しい?

 初めて見た時は秋の夜、近所の海岸にあるちょっとした岩場にいた。隙間に入っていることも多かった。それまでは飼育する気はなかったが、飼育魚が乏しく海にも魚がほとんど見られなくなった時、唯一9cmのカサゴがおり、人工飼料に餌付くか心配だったが持ち帰った。飼育は簡単とも難しいとも言われていたのである。大きくて酸欠が怖かったので、酸素を出す石を使って運んだ。水温合わせも、ふつうに容器を水槽に入れずに、容器をしばらく放置した後通常どおりに行った。

 その結果、簡単に飼えた。3日でむきエビ、6日で柔らかくした粒餌、7日でフレーク餌を食べるようになった。他に水槽にいた魚のアミメハギに粒餌をやっているのを見て、釣り効果があったのだろう。その後、フレーク餌に落ち着き粒餌は食べなくなってしまった。フレークはとても薄いので割に合わないと思い、適した大きさと思った人工餌のキャットを使った。だが、食べても吐く。半分にしても吐き、それより小さくすると食べない。フレークでも痩せず、それを好んでいるようなので続行していると、そのうち小さい餌でも食べるようになり、アミメハギ向けの餌に混じる大粒や、最初食べた粒餌を食べるようになった。むしろ、それからはフレークの食いが落ちた。

 こうなったのはよかったが、難点はやった分だけ餌を食べること。カサゴ系統は代謝が遅いので(成長が遅いので、そのはず)、恐らく毎日満足に餌をやっていると死ぬ。でも完全に切るとストレスが溜まりそうなので、1日ごとの餌切り(切っているとは言えないが)の日も少しやるようにしている。というのも餌を切ると他の魚にあたっているように見えたり、泡を食べようとするのだ。小さい餌を食べるようになったのは貪欲さによるものだろう。落ち着いてからは落とす物をなんでも食べようとし、落とした塩も食べるし大きいカニを無理に食べようとする(塩は吐きカニはすぐ諦める)。しかし安定してキャットを食べることは結局なかった。無理かもしれないと思ったサイズの小ガニもがっちり食べたのだが・・・。普段はおとなしかったが同族にはやや攻撃的らしい。一般的な魚で、水族館でも普通にいるが、カサゴ系統全般がいざ飼育すると楽しかった。今の飼育環境ができてからも6、7cmの個体を秋の夜に見られているが、このサイズから飼育を始めると入れた魚がどんどん食べられそうで、飼育する機会がない。

 飼育は難しいとしているサイトは、カサゴを釣っていることが多かった。釣った魚は針で傷がつくし、餌を食べて痛い目にあったわけだから、水槽に入れても長期間餌を食べないことがある。上記のように本来は貪欲なはずだから、網で捕れば楽に飼えるだろう。しかし網でメバル、ムラソイ、イソカサゴあたりの幼魚を捕った記録は少なくないわりに、カサゴでは少ない。網で幼魚を採集できる場所は意外にも少ないのかもしれない。

 大きな餌を飲み込むのが爽快だが、カサゴ、メバル、ムラソイなどの飼育で悩みなのが暑さである。25℃なら大丈夫だが、水槽クーラーでそこまで下げるのはなかなか過労になりそう(使ったことはないが)。部屋の冷房も使うといい。また、道のりは長いが90cm水槽では狭い大きさになる。南寄りに生息する種類で、イソカサゴやコクチフサカサゴなら小さく、それほど暑さに弱くなく、飼育に適しているだろう。トゲに毒があるがカサゴもあるともいうし、どうせ飼育魚を触ることはないので問題にならない。小さい魚、エビ、カニなどを食べるが、情報を見る限りハタほど悪食ではないと思う。

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