オサガニ Macrophthalmus abbreviatus
 ヤマトオサガニ Macrophthalmus japonicus  十脚目スナガニ科
 甲幅:3cm
 採集・購入時の甲幅:1.2cm、1.5cm
 飼育数:7
 餌やり:楽
 性格:大人しい

 

大人しいカニ

 干潟の有名なカニだが近所では見られなさそう、と思っていたら初夏から秋まで見られた。水上か水たまりレベルの深さにいるイメージがあったが実際は水生であり、普通の水槽で飼育できる。泥も必要ない。通常は泥を食べて有機物を摂取しているが、魚の人工飼料を食べるし、ヤマトオサガニはゴカイを食べるという。そして他の生き物に攻撃性は一切ない。ヤドカリより狭い場所に入れる掃除屋として有効である。問題はカキ殻等の隙間にはあまり入らないのと、食べられやすいこと。ノーマルなカニはオサガニ系を好んで食べるのを思い知ったのは、夏に野外で大きなヤマトオサガニを食べるアシハラガニを見てからであった。最初に2匹飼育したときにタカノケフサイソガニが2匹いたが、足がだんだん減って、最終的にハサミ一つになったことがあった。その後、通常のカニと同居させないようにしていたがまた急に足が減って、テッポウエビの連撃を受けて瀕死になった。テッポウエビではなさそうでイダテンギンポでもないだろうと、やりそうな生物を考えて、スジエビ系の仕業らしい。ヤドカリが近づくと逃げるが、食べられたことはない。

 その後飼育環境が変わって、また小型個体を飼育することにした。魚にフレーク餌をやっていた頃に一度死んでおり、この場合はカニ用に餌を落とす必要があるだろう。本来の食性から餌を探す能力は低く、餌が接触しないと気づかない。粒餌にしてからは問題なく飼育できている。1回の脱皮でぜんぜん大きくならないため、小さい個体は長い間小さく、もどかしいが掃除屋として利用するには都合がいい。魚水槽にカニ成分が欲しい人はオサガニを捕まえてみてはどうだろうか。

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