タイワンメナダ1 タイワンメナダ Moolgarda seheli  ボラ目ボラ科
 全長:40cm
 採集・購入時の全長:2.5~2.7cm、3.5cm
 飼育数:7
 餌やり:楽
 性格:一応大人しい

 画像個体の全長:2.7cm

熱帯の海に合う

 メナダも知らないと何なのかさっぱり分からなそうな名前だが、外国どころか沖縄まで南下しなくても、本州で幼魚と出会え、多くの日本人に十分縁がある。紀伊半島から見られ、それほど珍しくないが静岡県にいるという情報もある。探せば千葉県、神奈川県にもいるかもしれない。しかし、確信を持って言える特徴が分からない。黒ポチがある種類だが(フウライボラの項参照)消えることも多い。吻が短く体は太短くない・・・と思っていたが太く見えることも多いようだ。体がやや側扁する、つまり薄いのが特徴の一つである。死滅回遊魚と考えられるだけあり、真ボラが垢抜けたような形態をしているとも思う。2016年の時点でナンヨウボラを見たことがないが、こちらは体がだいぶ薄いといい、消去法で判断するのも一手である。似ている種類にレアなカマヒレボラがおり、その違いは微妙なもの。体がやや太短く、大きくなってくると第二背鰭、尻鰭が鎌状を呈するのだがタイワンメナダも十分シャープで、日本産魚類検索では幽門垂の形態をキーにしているほど。名前がタイワンボラじゃない訳は謎である。

 水槽では砂撹拌、コケ取り、油膜取りともして、壁のコケ取りもする。砂を吸ったりコケ取りをする動きは、真ボラやメナダ属のモゾモゾしているのと違ったスピーディーな動きである。そして最大サイズはFishbaseでは50cmとなっているが、成長は遅く一時は速くてもなかなか5cmに達しない。40cm近くの画像は見つかるから40cmが実質の最大サイズだろう。成長が遅いなら海水水槽に入れて「働き」に期待するのに適するが、藻類を中心に与えれば速く成長するかもしれない。タイワンメナダを探して飼育記録を取ってほしい。なお熱帯性だから、近海水槽で冬期のヒーターをケチるなら本種は利用できない。

 大人になると、各鰭が長くシャープで美しい。真ボラ特有の不気味さもなく明らかに別種とわかる。かわいい部類だが特徴の薄い幼魚からは想像できない。しかし、けっこうな大きさにならないとこの特徴が出ないようである。水族館なら大型個体の群泳をできると思うのだが・・・。ところで、フウライボラの画像を検索するとけっこう成魚の水中画像が出るが、その多くはタイワンメナダにしか見えない。だが一見して本種と思いきや、口でフウライボラとわかることもある。最近同じフウライボラ属とする研究が出ているだけあり、水中で出会うと似ているようだ。それにその研究では、タイワンメナダは3種に分かれるとされている。確かに同サイズで個体識別できる3匹がうちにいる。ボラの難解さには専門家も悩んでいるのである。


成長速度(通常1ヶ月ごとに計測、大きさ単位はcm)

タイワンメナダ1  2.5 →3 →3.5 →3.7 →4 →4.3 →4.3 →4.5 →4.6

タイワンメナダ2  3.5 →3.7 →4 →4.5 →4.5

タイワンメナダ3  2.7 →3.3 →3.7 →4.5 →4.7

タイワンメナダ4  2.7 →3 →3 →3.4 →3.5

タイワンメナダ5  2.5 →2.7 →3.3 →3.5

タイワンメナダ6  2.5 →2.7 →3.3 →3.3

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